茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

TVドラマ「あんどーなつ」(1)

テレビドラマ「あんどーなつ」第三話を見ました。
大学茶道部からの注文を受け、菓子職人の竹蔵は茶会用の生菓子をつくることになりました。
彼にとって「初めて」の新作菓子なんです。
苦闘の末「彼独自の」、線香花火をモチーフにした菓子ができたんですけど、「彼独自の」というところがよかったです。

さて、隅田川の花火大会を見たことがない私ですけど、すばらしくみごとな花火があがるんでしょうねェ。
ところが竹蔵の技量では、花火大会を彩る花火に例えられるような菓子は、つくることができません。

結局、彼が作ったのは上記の菓子だったんですが、私はたいへん好ましく思いました。
まさに「彼自身」そのものと言える菓子だったからです。

私が思いますに、茶の湯も同じで、「その人自身の茶の湯」が尊いんであって、社会的に高く評価されるかどうかではなく、「その人自身がそのまま表れているか」という点が大切だと考えることです。

そして、「その人なりの茶を楽しむ」ことって、例えば花火大会にばかり目を向けるんじゃなく、去年の残りの線香花火を見つけ、湿気ってたけど火がついたことのうれしさとか、華やかに火花が弾けるまでには至らずに尽きてしまった時だって、そういうことにかえって趣や情緒を感じるみたいな楽しみ方もあるわけで、「へんなたとえ」をしちゃいましたけど、どんなにささやかで取るに足らないものであっても、「その人なりの」茶を楽しむことが一番かなあと思ったことでした。