茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

茶人さまざま(2)

前回の続きですが、桑田忠親は、松永安左エ門の別荘だった柳瀬荘の入り口にある番小屋に疎開していたそうでして、柳瀬荘には長屋門があるんですけど、その長屋門のことだろうかと疑問ではありますが、確かめてはいません。

 

それで、桑田忠親松永安左エ門の茶事にしばしば招かれたということが、臼井史朗の本に書いてあります。

前回書きましたように、松永安左エ門桑田忠親の本をちょっと批判したわけですけど、それは、桑田忠親を大いに認めていたからだと、私は思います。

 

さて、桑田忠親の回顧には、次のように書いてあるそうです。

「人間の世界には、人々が生存のために競争したり、戦争をしあったりする、いわゆるこの俗世界のほかに、茶の世界があるということについて、考えさせられたのである。」

また、

「物みなが焼亡せんとする決戦の空襲下に、柳瀬山荘で行われた、松永耳庵翁の、茶事・茶会こそ、私の生涯に経験した、最も心に残る茶会なのだ ・ ・ ・」

 

柳瀬荘での耳庵の姿は想像不能ですけど、耳庵は席主をしてまして、点前についてはどうだったのか、そういうことは次回以降、書ければと思います。

 

さて、柳瀬荘で茶の湯が体験できた桑田忠親ですが、「俗世界のほかに、茶の世界がある」と発見したところが、私は印象深かったです。

 

・ ・ ・ そうなんですね、茶の湯の場には「茶の世界」が成立していて、その雰囲気の良さ、心地良さが、私は大好きなんです。