変化してきた茶の湯(5)
今井宗久の台子点前の話を9月12日に書くはずだったんですが、都合で今日になってしまいました。
古流の本格的な台子点前を、秀吉の前で始めた宗久ですが、「手に震えがきた」と桑田忠親の本に書いてあります。
「釜から汲みあげた柄杓の湯を天目茶碗に注ぎ入れようとしたとたんに、ひとしずく、ぽたっと、熱湯がこぼれた。
それが、漆塗りの天目台の縁に落ちた。」
さて、それでどうなったかは次回に書きますが、「たったそればっかりのこと」なんですけどねえ。
私が思いますに、古流の本格的な台子点前というようなものが行われなくなるのには、それ相応の理由があるだろうってことです。
ちなみに、石州流奥義書というのをちょっと見たことがありまして、原本は江戸時代に書かれてるんですが、いろいろな台子点前の記述もあります。
それで、台子点前には儀式ばったところがありますから、「日々にお茶を楽しもう」ってことからは遠いかなあ。