茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

場に合わせた立ち居振る舞い(2)

7月25日に掲載した茶会の記録について、今日はその続きを書きます。
中立ちの様子から話を始めますが、腰掛は、茶室の外壁に接していたそうです。
そんな近距離で待つわけですから、客には、亭主が室内を掃いてる音まで聞こえたそうです。
そういう情況でしたら、亭主が銅鑼で後入りを知らせる必要なんて、ない・・・と言うか、掃く音まで聞こえてる客に対して、銅鑼の大音声を響かせるなんて、暴挙に近いですよね。
ですから、亭主は障子を開け、客に直接声を掛けて後入りを願ったということでした。

それは全く納得できる話で、現代では、現実的に腰掛待合を設けるスペースも有るか無きか ・ ・ ・ という条件の露地も多々あるでしょうねェ。
そうした場合、銅鑼や喚鐘を打つのは場違いだなあと感じる私です。
ですから、亭主が直接声を掛けて後入りを願ったのは、たいへん適切なやり方だったと思います。

あのゥ、亭主自ら腰掛待合に出向き、後入りを願うのが本筋ですから、主菓子を出した後の挨拶で、「用意が整いましたらお迎えに参ります」みたいに言うのが順当だと思います。
でも、正客は「じきじきお迎えいただくのは恐れ入ります」みたいに遠慮して、「鳴り物でお知らせ下さい」と願うのが「型どおり」で、それを受け、亭主が「都合でそうさせていただきます」と返せる情況でしたらスタンダードそのものですけど、現実には、茶室と腰掛が近すぎて、銅鑼で知らせたら「かえって不自然」な狭小露地 ・ ・ ・ といった例も多いだろうと思います。

それで今日言いたいことは、教科書的な「型にはまった」言動ばかりではトンマですから、その折その折に適切に対処することが大切ってことで、ですから、茶の湯っていろいろおもしろいなあと思うことです。