茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

場に合わせた立ち居振る舞い(3)

7月27日に、型にはまったやり方「でない」例を書きましたけど、今回は、360年以上前の同じ茶会の記録から、初座における主客のやりとりについて紹介します。

懐石の膳が出たらすぐに、正客は「気を利かせたつもり」だったのでしょう、「どうぞ煮物椀もお出しください」と言ったそうです。
でもゥ、煮物椀が必ず出されるなんて決まりはありませんからネ。
何を出すか、あるいは出さないかは「亭主の裁量」だし、実際、「菓子を出さない」茶会もあったそうで。

さて、亭主がどう対応したかと言えば、「何も無いから」と言って、生魚を酒に浸した一品を、客の膳に据えたということでした。
なお、その茶会では、焼物も出なかったそうです。

そして、最後に昆布が出されたそうですけど、「楊枝が添えられていた」ので、「菓子の扱い」だったということです。

それで私、思いますネ、茶の湯は「型」を行うのではなく、「その亭主独自のやり方で」その日のもてなしをするわけですから、客の喜びは、そこのところを味わい、楽しむことなんじゃないかと。