茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

四角四面に考えない

「こうしたほうが良い」ってアドバイスは、ありがたいし、役立ちますね。
今は暑いさ中ですけど、道具の取り合わせはどんなのがいいかという記事を目にしました。
長々と引用するのはやめて、水指の部分だけ、おおよそのところを紹介します。
(1)色で言えば赤や朱は暑さを感じさせるから、手桶水指の場合なら、朱ではなく黒を選ぶ。
(2)塗物よりは焼物のほうが涼しさを演出するから、焼物の水指がよい。
(3)水を含んだ木地は清楚な夏を表現するから、木地の釣瓶は好適である。
(4)唐金、南鐐などの水指は表面に水滴を持ち、涼感があるので暑い時期に向く。
(5)形の面では、深くて口が絞まったものより、満々と水を湛える湖のようなイメージのものがよく、平水指が暑い時期に向く。

いやいやドウモ、「難しいことになってしまったなあ!」というのが、私の感想です。
あの、言ってることの一つ一つが妥当であり、正しく、そのとおりだと思います。
・ ・ ・ そのとおりだとは思いますけどネ、でも、極寒期の夜咄に平水指が使われたり、その反対に、棚を使わないから「棚にマッチさせる必要がない」にもかかわらず、暑い季節に細水指を使うような茶会って、実際に「ある」わけですし、木地釣瓶水指だって、「炉では使わない」なんて決まりはないでしょう。

ところがですネ、「~が良い」という話を聞くと、そのとおりでなきゃ「ダメ」って誤解して、最後は、「この道具は使えない」みたいな「縛られた思考」に陥っちゃうことって、ありそうな話だと思いますし、そんなふうに束縛されてしまうことは、愚、愚、愚だと思います。
そして、茶の湯はもっと「心を自由に遊ばせて」行いたいものだと、心底、思うことです。

さて、紹介した記事を書いた人は、最後に、おおよそこんなことを言ってます。
「固く考えることなく、一つの茶箱ででも人を招くことができる」・ ・ ・ って。

そして、その方が文章の最後に書いている言葉、それを、次回に紹介します。