扇子は昔から? (2)
扇子は茶の湯に「役立つ」道具だったからこそ、客の持ち物として定着してきたんだろうと想像した私でした。
他の例で言えば「正座」もですね、茶会で普通になってきたのは江戸時代後半以降かも知れませんけど、私は正座って、茶の湯にすごく適した面があると思ってまして、でも、そのことに触れると話が広がりすぎますから、今回は書くのを割愛します。
さて、扇子を使うようになった理由ですけど、私は、茶の湯の目的に「ぴったり」合致する性質があったからだろうと思っています。
何しろ、相手を尊重し、敬する心を「形で表現する」ためには、扇子がまさにうってつけの道具で、だからこそ、茶の湯以外でも、挨拶の場で使われるんだと思います。
私は、和敬を希求する気持ちを心ゆくまで表現できる喜ばしい場が、茶の湯だと思ってまして、だから、相手を敬する心を「形で表すことができる」扇子って、すばらしい道具だと思うことです。