茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

TVドラマ「あんどーなつ」(5)

テレビドラマ「あんどーなつ」第10話で、菓子職人の竹蔵がお茶の先生を訪問します。

注文を受けた稽古用の菓子を届けるのですが、先生にご挨拶も兼ねています。

その彼が袴姿でしたから、「あらら」と思いました。

ずいぶん気合が入ってますねェ。

 

そして、緊張もすごいようです。

「このたびは大役を仰せつかり、まことにありがとうございます」と深くお辞儀します。

先生から、稽古用の菓子づくりを任されたからです。

 

さらに、彼のつくった菓子を先生が褒めますと、竹蔵は後ずさりして平伏し、「ハハッ、かたじけのうございます。」

そのシーンを見て笑っちゃいましたね、私は。

ドラマの中では先生も笑ってまして、彼にこう言いました。

「ここは江戸城じゃないのよ。」

 

ドラマでは「笑えるシーン」って、すごく大切だと思います。

ただし、笑ってもらう意図で、ことさらに演出するのはおもしろくありませんで、観客(視聴者)が「つい笑ってしまう」っていう程度が、一番好ましいかなあと思います。

 

蛇足ですが、日本舞踊の舞台で袴姿を美しく見せる大きい袴台を使っての着付けだったように思われまして、茶の湯の時は、袴台を使うにしても、ごく小さいのがいいかなあという感想で、まあ、帯結びを工夫して袴台を使わないのが好ましいかとは思いますが。

 

今回のドラマ、「さりげない」ってことの良さを考えさせられるシーンがありました ・ ・ ・ ということで、まあ、キチンとした身なりや態度は好ましいものではありますが、「ことさらにつくりすぎる」と、かえって、ねえ。