茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

茶の湯の心と形(7)

親密な人ばかり二三人にお茶を差し上げる場合と違い、大勢の前で茶を点てるとか、特に社会的地位が高い方々にお茶を差し上げる場では、緊張するのも当然でしょうね、利休を客として上林竹庵が点前をした時、すっかり上がってしまい、茶杓を落としたり茶筅を倒したり、散々だったという話が残ってるくらいですから。

 

さて、前回に続き、点前中にアクシデントが起きたお嬢さんの話ですけど、父君から「今日のこの光栄は一生に一度と思い、命がけでせよ」と言われていたそうですし、その上、正客がお家元だったんですから、たいへんなプレッシャーだったと想像します。

 

私は ・ ・ ・ ですねェ、誰が何を言わなくても激しい緊張を伴うシチュエーションだと思いますから、「命がけでしなさい」なんて言うのは、さらにさらに、いやが上にも緊張を極度に煽る言動だと思いまして、だから、そのお嬢様を気の毒に思います。

 

私はねェ、「必死でやらされる」なんてのは、まさに嫌厭そのものですね。

ありのままの自分の気持ちで「無理することなく」生きることができるようであればうれしいです。

ですから、わざと背水の陣を敷き、死力を尽くさせようなんて考える人を、私は憎みますね。

 

どうも話が脱線しましたけど、茶の湯は「必死で行うものではない」と考える私でして、じゃあ、アクシデントに見舞われた場合、私ならどう対処するのが良いと考えるか、次回は、話題にしてきたお嬢さんの例で考えてみたいです。