茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

茶の湯の心と形(6)

エリザベス女王に今の大宗匠桂離宮野点を行い、お茶を差し上げたのは昭和50年だったそうで、その映像も見ることができますね。

 

ところで、将軍足利義教後花園天皇から病気見舞にお茶と(1)茶入、(2)茶碗、(3)水指を賜りましたので、義教の全快祝儀で後花園天皇行幸の折、それを三種極真に飾ってお茶を献じた話、前に書きましたけど、今の言葉では「接待イベント」 ・ ・ ・ と言ったところでしょうかねェ?

 

それで、「祝儀供応」と古書にありますが、そういうタイプの茶会って、室町時代からのものだと知りまして、それは、侘茶が個人的に行われるのとは全く異なり、「集団の力」で組織的に運営されるという特色があると考えます。

 

それで、前回に続き、点前中に建水が壊れたお嬢さんの話ですが、うろたえて取り乱すなんてことなく、水が流れても袖一つよけず、微動もせずに点前を続けられたのはなぜか ・ ・ ・ って、以下は私の全く個人的な意見です。

 

(1)「チームワーク」によって成り立ち、個人プレーではなく「チーム力

」がものをいう茶会だから。

(2)したがって、信頼関係が決定的に重要であり、協調することによって大きな成果が得られる茶会だから。

 

さて、点前のお嬢さんはお茶を点てておもてなしする役目でして、アクシデントなどに対応するためには、「別の人」が控えているスタイル、それは大寄せ茶会に共通していて、つまり、多くの人が団結して行われるものであり、チームワークが大切なんですよね。

 

それで、人は皆、個人個人「別の人」ではありますが、「他の人のことを認め、尊重し、信頼して」互いにそれぞれの役割を果たすことで「チーム力」が生まれるんだと思いまして、だからこそ点前のお嬢さんは、チームの他の役割の人を信頼し、ご自分はお茶を点てておもてなしする役目に徹することができたと思います。

 

繰り返しになりますが、そういう態度って、他の人に対する「信頼」なくしてはできないことですから、そこのところが点前のお嬢さんのすばらしいところだと思います。

そして、他の人を信頼することができるのは、「他の人から信頼される行動」を、そのお嬢さん自身が常日頃、しているからだと考えます。

 

アノ、例えば他の人にアクシデントが起きた時、そのお嬢さんは、とっさに適切な救援ができる人なんですね。

ですからそのお嬢さんは、自分にアクシデントが起きた時、他の人が適切に対応してくれることを確信することができるわけで、だからこそ落ち着いた行動ができたと思います。

そんなわけで、今日は「人に対する信頼」ってことのすばらしさを書きたかったです。

 

最後になりますが、そのアクシデントが起きた茶席で人間力を発揮したのが淡々斎家元でしたから、私がなぜそう思うか、次回に書きたいです。