茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

茶の湯の心と形(23)

茶室で最も狭いのは台目畳二枚だけのもので、好日庵という台目二畳の茶室は、炉が向切で床は壁床ですから、狭く感じると思いますね、写真も見たことないですけど。

 

それよりもちょっと広くなるのが一畳台目で、利休が好んでるし、何人もの茶人が作ってますね。

 

ところで、一畳台目ですとさすがに狭すぎて、貴人をお迎えするには不適切 ・ ・ ・ なんだけれども、本心は一畳台目の茶室がいいと思うってことになりますと、そこで編み出されたのが「上段付一畳台目」であろうかなんて、私の勝手な想像です。

なお、利休やその時代の茶人が「一畳半」と言ってるのは、今で言う「一畳台目」のことで、「太閤ノ御意」にはかなわなかったんですよね。

 

それで、下の図は利休が作った上段付一畳台目の席です。

上段に秀吉を迎えたわけですね。

元々は一畳台目の席ですけど、向板がありますから、広さ的には二畳の感じでしょう。

そこに上段を付加し、さらに、図に床Bと書いた下座床をつけてますから、上段に座る秀吉から見れば、あんまり狭苦しさが感じられないだろうと想像します。

なお、床Aと書いたところは、秀吉の刀を置く場所です。

 

古書に次のようにあります。

「利休壱畳半ノ数寄屋ヘ、太閤御成之時、上ニ壱畳ノ上段ヲツケ、又、床ヲ付タル也。

上段ノ床ニハ懸物モ無シテ、御腰物掛斗ヲ置タル也。」