茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

場に合わせた立ち居振る舞い(1)

今から360年以上前、場所は金沢ですが、茶室や露地が工事中というか、未完成段階での茶会記録がおもしろかったです。
「寄付に相当」する仮設の場所に筵が敷かれていて、待っていると亭主が現れ、「まず御入り候へ」と「迎えつけ」が行われたというのです。

思いますに、現代でも「完全に亭主一人で行う」茶会だったら、寄付から露地に向かう刻限からして、亭主自らが知らせる以外に、客は知る方法がないと思います。
まあ、客が腰掛待合に達して以降は、亭主が蹲踞に水を足す所作が合図になるなど、「客まかせ」で進行できるでしょうけど。

そんなわけで、中門において「無言のうちに初めて」主客が出会うという教科書的なスタンダードが「実行不能」になる情況は、過去も現在も未来も、多々あるだろうと考えます。
だからこそ、「その場に応じての行動」が大切だし、また、必要なんだ思うことです。