茶の湯 blog

茶の湯の魅力(私感です)

見立てを躊躇したこと

最上位の道具は茶壺だったそうですが、やがて茶入が取って代わるとか、掛物も重視される道具であるとか、まあ、時代により人により、扱いはさまざまでしょうけど、茶碗が茶入より下位というのは不変で、茶碗単独では床に上げることができないので、飾る場合は茶入を載せる下敷きの台として茶碗を使う ・ ・ ・ ことになるわけでしょうねえ。

でも、茶碗は「大切な道具」という意識が、稽古をしてるうちに自然と、無意識のうちにできちゃってるんでしょうか、無自覚だったけど、「茶碗を大事にする」感覚があった ・ ・ ・ と気づいた体験がありました。

江戸時代ですが、向付の器として「茶碗」を使った記録があり、「エーッ! 茶碗を使っていいの?」って思ったことがあったんです。
 ・ ・ ・ それじゃあ、というので、「塩笥を火入に使ってみようか」という案を実行したいと考えるようになりました。

手持ちの器に、塩笥風につくられた茶碗がありまして、「火入によさそうだなあ」って気持ちを以前から秘めてましたけど、「茶碗を火入に使う」なんて、「非難されるんじゃないか」って不安がありました。
アノゥ、格下の雑器を格上の道具に見立てることは普通ですし、向付の器が火入に転用されることも多いでしょうけど、格上の茶碗を「やつして」使うことが憚られたのです。

でも、茶碗に向付を盛り付けるんだったら、火入として使ってもいいじゃないかって思えるようになりました。